アイドルに会いたくて

アラサーでオタクなOLの上京物語

上京物語 プロローグ

まずは上京を決意するまでのプロローグ的なものをちょっとだけ。

 

小学生からKAT-TUNにハマるという筋金入りのジャニヲタだった私。

 

高校生の頃、「TVのディレクターになって赤西に会いたい」と言い出した

親友のひとことに「え、私も亀梨に会いたい!」と脊髄反射で答えたその時から、

やりたいことが特になかった私に"芸能人に会う仕事がしたい"という夢ができた。

 

編集の仕事をしたいと思ったのは、マンガやドラマの舞台になっていて

「なんかエディターってオシャレでかっこいいじゃん?」と思ったから。

 

大学に進学してもオタ活のためにサークルにも入らずバイト三昧で

掲示板の求人を見てもやりたい仕事もなく、そろそろ就活か~と思いながら

編集の仕事をしてみたくて小さな出版社にバイトとして雇ってもらった。

 

もちろん電話を受けたりコピーをしたりと雑用ばかりだったけど、

一度5cm四方くらいのお店の紹介記事を書かせてもらった。

本当に小さい記事で、60文字くらいだったけど何度も書いては見直した。

 

本ができて記事を見たときに、胸の奥から込み上げてくるものがあった。

 

この記事を読んでお店に行く人がいるのかな?と想像したら、

すごくワクワクしてしまった。この仕事って楽しい、そう思った。

 

東京に憧れはあったけど、社長が卒業後も働かないかと言ってくれて

仕事も楽しいし会社の人も良い人ばかりだし、このまま働こうと思っていた。

 

その後、震災が起きた。

 

本当に幸運なことに家族も友達も会社も無事だったけど、

経営が先行き不明となり私はバイトを辞めることになった。

 

急いで就活を始めたものの、ただでさえ狭き門の編集職。

学歴も職歴もなかった私はことごとく書類で落ち、無職のまま卒業を迎える。

 

編集者になりたいという気持ちを諦めきれないまま、

無気力で時々ハロワや就業支援センター的なところに通いながら

ニート生活を送り続けていた私はだんだんと思い立つ。

 

東京に行こう。

 

東京には絶対に仕事があるし、面接にも簡単に呼んでもらえるはず。

捨てきれない夢はどうにか叶えるしかないと、編集者になることを決めた。

 

心配性の親は上京にあまり賛成していなかったので、

1年間バイトをかけもちして資金を貯め、21歳で上京。

 

キャリー1つ持って東京行きの夜行バスに乗った日、

心配させたくないから親の前では明るく振舞って我慢してたけど

乗ってから泣いちゃったな。